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管理栄養士と考える食品ロス

管理栄養士と考える食品ロス

管理栄養士統括責任者の清長です。

恵方巻に始まって土用丑の日の鰻のかば焼き、クリスマスケーキと毎年食品ロスが大きな話題になっています。もったいない精神がある日本で毎年食品ロスが出てしまうのはなぜ何でしょうか?

管理栄養士と考える食品ロス

■なぜ、食品ロスが問題なのか

日本では、年間約1,700万トン(平成22年度推計)の食品廃棄物が出されています。このうち、売れ残りや期限切れの食品、食べ残しなど、本来食べられたはずの、いわゆる「食品ロス」は500万トン~800万トンとされています。これは、我が国におけるコメの年間収穫量(平成24年約850万トン)に匹敵し、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(平成23年で年間約390万トン)を大きく上回る量です。また、家庭における一人当たりの食品ロスは、1年間で約15kgと試算されています。これは、ご飯1食を250gとすると、60食分。日本では少子高齢化が進み人口が減少していますが、全世界的にみたら、人口が増えています。その為、近い未来、食料が足りなくなる問題が出てきているのが1つの問題になっています。

2つ目の問題はコストですね。食品廃棄分も食料として事前に買っているものなので、その食品廃棄分を従業員の給料に反映することもできるのです。

 

■恵方巻を例に挙げると

2月3日は節分の日でしたね。ある一定の地域にもともと習慣としてあった恵方巻を食べる文化。それが今では全国に広まり習慣化してきました。恵方巻はいろいろな具材が入った太巻きを全部、無言でその年の方向を向いて食べる物と言われています。太巻きなので1食としてはかなりの量があります。食べきれないので残してしまったり、今年は買わないという人が増えてきてしまっているんですね。そうするとお店の利益が減るだけではなく見込み客を考えて作られた恵方巻が買われずに廃棄になってしまうんですね。そしてどの商品にも入れる事ですが、恵方巻は2月3日のみを想定して作られるものなのでもちろん2月4日になれば廃棄になってしまいますね。そこで考えられたのが恵方巻を半分にして売る事や細巻きサイズで売る事です。消費者の需要に合わせた売り方をすれば少しでも食品ロスを抑える事ができます。

 

■共通した取り組み

恵方巻、土用丑の日の鰻、クリスマスケーキに共通して各社が取り組んでいる事が、事前の予約を取る事です。ます、予約が増えることで当日販売の不確定要素を減らせます。予約の売れ行きを見て当日のスタッフや原材料の手当てもできます。店内製造で売れ行きを見ながら作れるため通常の惣菜と比べ廃棄ロスが高くなくてすみます。昨年度のクリスマスはファミリーマートが完全予約制にしました。食品ロスをなくすための大きな1歩ではないでしょうか。

 

■予約販売の拡大には他の意味もある

予約販売には平日対策もあります。2019年2月3日は日曜日でしたが2020年2月3日は月曜日でした。前回、同じ曜日周りなった2014年2月3日は2013年2月3日より客数が18%減少したというデータもあります。クリスマスケーキも同様に12月23日が祝日ではなくなったために平日に挟まれたイブは1987年以来のことです。各社は土日とイベント当日に山を持ってきて盛り上げていく作戦を取ったりしています。

 

■まとめ

日本では年間1,700万トンの食品廃棄物が出ている。

毎年、食品ロスのニュースが流れるが依然として減らない

会社にはリスクがあるかもしれないが、社会貢献の為にファミリーマートが昨年2019年のクリスマスケーキを完全予約制にした。

 

いかがでしがでしょうか。食品ロスの問題は日本だけではなく全世界でも問題になっている話題です。私も栄養士時代に給食の現場で廃棄率と言うのを毎日見てきました。せっかく栄養計算されて作られている給食でも、残されて戻ってきてしまう。そういうことがありました。これからの未来の為にも、なるべく食品ロスをなくす努力をしていきたいですね。管理栄養士はもちろん時短料理の提案やメニュー開発ができます。そして野菜の皮を使った出汁を使用した料理の提案などもできます。食品ロス問題も考えています。

 

 

 

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